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はじめてのひと。
第7章 甘い時間
目が覚めると、もう部屋は明るく日の光が窓から差し込んでいた。


まだ重い瞼を擦りながら横を向くと彼の寝顔があった。

無防備な顔をして寝息を立てている。

ついつい悪戯したくなる気持ちを抑えて、彼を起こさないよう起き上がる。

「ーーっ痛…」

昨日の爪痕が甘い痛みを下腹部に残していた。

ベッドの脇に落ちている下着と服を取ると、彼に背を向けて手早く着替えを始める。


ブラとブラウスをつけた所で起きてきた彼の腕に抱きすくめられた。

「ひゃ…⁉」

「おはよう…早いね」
まだ眠そうな声が頭上から聞こえる。

「起きてたんだ?びっくりした…」
振り返るとすぐ近くに彼の顔がある。

「ん…まだ眠い…」

とろんとした瞳をして私の髪に唇を押し付ける。

この身体に抱かれたことを思い出すと急に恥ずかしくなってきた。

不意に体がぐらっと傾いたと思った次の瞬間にはベッドに横たわっていた。

「…もうちょっと寝よう…?」
彼は私をベッドへ引き戻し、お腹に手を回して私をだきとめていた。

講義は明日から…今日まではゆっくりしていられる。

彼の体温が安心させるのか、何だか眠くなってくる。

「…そうだね…今日は休みだしね」

私がそう言う間にも彼は眠りに落ちそうだ。

私も静かに目を閉じた。



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