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真紅の花嫁
第11章 銀色の拘束


亮の問いかけに、綾音はようやく泣き濡れた童顔を上げた。

「亮くん……」

「ご主人さま、だろ」

「……ご主人さま。
    あ、あの、矢崎さんが、どうしてここに?」

真波の顔と亮の顔を、ちらちらと交互に見る。

職場の先輩がなぜ亮の部屋に、それもクローゼットの中にいたのか、理解できないのだろう。


「ほら、この前、綾音と一緒のところを見られちゃったよね。
  今みたいに勘違いされると困るだろ。
  だから、真波さんにぼくたちの仲をわかってもらおうかなって」

綾音の頬にちゅっとキスをする。

「真波さんが結婚すれば、武藤家の人になるんでしょう?
   綾音との関係も深まるだろうし、いい機会じゃない。
   そう思って、今日は特別に招待したんだ。

 調教のことを話したら、一度、自分でも見てみたいって言うし」

「違いますっ。
  あなたが無理やり」

「またまた。自分に素直にならなきゃ。
  ぼくが上げた録画も全部見てくれたようだし。
     好きなんだよね、のぞき見」

「好きなわけないでしょ。とにかく、早く外してちょうだい」

手錠を鳴らしてアピールする。



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