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第12章 桃色の悪夢

「ほら、早くしないと矢崎さんがイッちゃうよ」


「だめ、あ、だめ……だめだって
　　　　　……や、あ、あ……くぅううっ」

大波に呑み込まれそうになった時、すっとローターが離れた。


恥をさらさずにすんだ安堵感よりも、喪失感の方が勝った。
そんな我が身が情けなくて、涙がぽろぽろとこぼれた。


恥辱に霞んだ真波の眼に、綾音の姿が映った。
自分の胸を揉みしだき、股間をいじりまわしている。

切羽詰まった手の動きだった。

「はあん……亮くん……
　　　ご主人さまぁ……
　　　　　　あんん、ご主人さまぁ……」

半ベソになって、懸命に自らを追い込んでいく。

ぐちゅん、ぐちゅん、
ぬちゅん、ぬちゃん――

卑猥な濡れ音を響かせ、慎みも羞じらいも捨てて、夢中で自慰にふける。


「はぅうううううっ」

真波へのローター責めが再開された。

樹脂の卵を当てられたは、股間ではなく乳首だった。
ツンツンに尖った箇所への攻撃に、真波は背筋をたわめてのけぞった。

のけぞった拍子にローターがずれて、愉悦の残滓だけが女体の中を揺蕩《たゆた》った。