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真紅の花嫁
第14章 茜色の空


〈今夜、会えない?〉

そう連絡を入れると、数分して返信が来た。

〈ごめん。
   ちょっとトラブルがあって、しばらく無理なんだ〉

〈わかった。
  無理言ってごめんね。
  お仕事、頑張って。
    時間ができたら連絡して〉

〈うん。
   ぼくも早く会いたい〉

真波はスマホを閉じた。

こういう時に限って、陽介の都合がつかない。
夜遅くてもいいから、とにかくフィアンセの顔が見たかった。



平日の午後八時。
駅前のファミレスは客がまばらだった。

切なくなって、窓際の席で真波は自分の体を抱きしめる。


抱きしめたとたん、ブラカップがこすれて、胸の先端に甘い痺れが走った。
痺れはさざ波となって拡がり、下腹部にまで波及する。
風邪でもひいたみたいに、全身が熱っぽかった。

テーブルの下でそっと脚を組み替えた。


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