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真紅の花嫁
第14章 茜色の空


「最初のひと月は、毎日のようにセックスしてたわね。

  溺れるって、ああいうのをいうのかな。

 休みの日は朝から晩まで。
 一睡もしないで学校にいったことだってある。

よくあれで授業できたもんだと、今考えると自分でもあきれるわよね」


生々しい告白をするうちに、紀美子の頬が上気してきた。
陰気だった印象が一転した。


真波も亮との情事を思い出し、下腹部が熱くなる。
再度、脚を組み替えた。


「しばらくすると他でも女を作っているらしいのはわかったわ。
 それも同級生や少し上の学生じゃなくて、ちゃんとした大人の女。

独身のOLとかが多かったみたいだけど、なかには人妻もいたのかな。
さすがに具体的には知らないけど。
なんだかんだで、金銭的な面倒もみてもらってたと思う。

わたしとは次第にご無沙汰になって、誘っても無視されることが多くなったけど」

自嘲の笑みを浮かべる。



本当だろうか。
話を盛っているのではないか。
あるいは孤独な女の妄想か。

にわかには信じがたい内容である。


だが、女教師の表情や口調には、そうした口出しを許さぬ真実味があった。


(それに――)


中学年で何人もの異性と経験していたというのは驚きだが、もしそれが事実なら、亮があの歳で性技に長けているのも納得できる。



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