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真紅の花嫁
第19章 真紅の花嫁


真波は最初の命令を待つ。

「ここで真波さんを抱くよ。

  今日は後ろも、もらうね」

無言でうなずく。


この部屋で亮にすべてを捧げるのだ。
そう思っただけで股間が疼き、熱い蜜液があふれだす。


「一生忘れられないくらい、気持ちよくしてあげる。
  その代わり――

  明日からはこの男に貸し出す」

ごくっとつばを飲み込んだ。



貸し出される男というのは、陽介ことだ。

今日、真波が式を挙げた相手。
綾乃の血を引いた武藤家の御曹司。

亮は静かに続けた。

「この男の妻となって暮らし、求められたら、ちゃんと身を任せるんだ」


呆然とする真波の瞳を、亮が覗き込む。

「返事は?」

「は、はい」

あわてて答えた。
亮がそう望むのなら、従うしかない。真波に拒否権はなかった。



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