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真紅の花嫁
第7章 肌色の動画


夜の駐車場で衝撃的な体験をした、その翌日。



あれからのことは、よく覚えていない。

いつの間にか、車の運転席に座っていた。
朦朧とした状態で家に帰った。
夢の中にいるようだった。

後で考えても、よく事故をおこさなかったものだと思う。


自宅に帰ると、両親はすでに寝ていた。
シャワーを浴びようと服を脱いで、はじめてストッキングの破れに気づいた。
それでもまだ、現実感がなかった。
どうして破れているのだろうと、ぼんやり考えていた。


今日、目覚めた時も、何か悪い夢でも見たような気分だった。
首元にくっきりとしたキスマークを発見して、ハイネックのシャツを選んだ。
出勤すると、体調が悪いとかで、綾音は休みをとっていた。


いつものようにギャラリートークを笑顔で務め、さまざまな雑事をこなし、いくつかの調査を進めた。

苦痛は感じなかった。
昨夜の出来事を忘れたわけではないのだが、なんだか自分の身に起こったことのような気がしなかったのである。




だが、それもこれも、亮に渡された映像ファイルを見るまでのことだ。




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