この作品は18歳未満閲覧禁止です

  • テキストサイズ
氷の戦乙女は人たらし公爵に溺愛される〜甘く淫らに溶かされて〜
第4章 フェガリ
(また初心だって笑われてしまいそう)
 耳元に、ラウルの唇が近づけられるのを、気配で感じる。からかわれることを覚悟して、言い返す言葉を必死で考える。
「他の男と踊った時に、そんな素振りを見せてはいけないよ」
「え?」
 独占欲とも取れる囁きに、胸が高鳴る。驚いてラウルを見ると、彼は見たことない、妖しい笑みを浮かべていた。

「まぁ、他の男と踊らせる気はないんだけどね」
 どういう意味なのか聞きたかったが、聞く勇気がない。聞いてしまったら、後戻りできない。そんな気がして口を噤む。
 カミリアはラウルの妖艶な笑みに魅了され、曲が終わるまで見つめ合いながら踊った。

 ダンスの練習は昼食の時間になるまで続いた。ふたりはそれぞれの部屋で着替えをすると、食堂へ行く。
 カミリアの後ろにはいつもどおり、ルナとサージュがいるが、ラウルの後ろにいるはずのオネストがいない。
「オネストは?」
「すぐに来ると思うよ」
 ラウルは気にする素振りすら見せず、食事を始めた。大事な執事がいないのにそれでいいのかと言いたいところだが、自分が口出しをしていいことではないと思い、カミリアも渋々食事を始める。

 前菜を食べ終える頃、オネストはようやく食堂に来た。いつも不機嫌そうな顔をしているが、今日はいつにも増して不機嫌そうだ。
「食事中申し訳ありません。午後の公務ですが、お休みになられてはいかがですか? 回復したとはいえ、病み上がりなのですから」
「いいや、絶対に行くよ」
 穏やかな声音で言うが、強い眼光から、強い意志が感じられる。

「いったいどんな公務なの?」
「畑仕事ですよ」
 オネストは苦虫を噛み潰したような顔で答える。何故、国王最有力候補であるマルティネス公爵ともあろう人物が、公務で畑仕事をするのか、理解できない。確かにこの国は農業を大事にしているが、役に立たないと判断された貴族や囚人がするのだから、現役貴族がする必要もない。それがカミリアの見解だ。
/182ページ
無料で読める大人のケータイ官能小説とは?
無料で読める大人のケータイ官能小説は、ケータイやスマホ・パソコンから無料で気軽に読むことができるネット小説サイトです。
自分で書いた官能小説や体験談を簡単に公開、連載することができます。しおり機能やメッセージ機能など便利な機能も充実!
お気に入りの作品や作者を探して楽しんだり、自分が小説を公開してたくさんの人に読んでもらおう!

ケータイからアクセスしたい人は下のQRコードをスキャンしてね!!

スマートフォン対応!QRコード


公式Twitterあります

当サイトの公式Twitterもあります!
フォローよろしくお願いします。
>コチラから



TOPTOPへ