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氷の戦乙女は人たらし公爵に溺愛される〜甘く淫らに溶かされて〜
第4章 フェガリ
「この箱は?」
「交友パーティで使う仮面だよ。それは君の分。開けてみて」
 言われたとおりに開けると、紺色のマスカレードマスクが入っていた。右側には蝶の銀装飾が施されており、マスク本体をよく見ると、サンダーソニアが彫られていた。
「綺麗だけど、何故仮面を? 交友パーティって、仮面舞踏会なの?」
 カミリアはマスカレードマスクを箱に戻しながら聞く。ダンスの練習をさせられていたことから、舞踏会だろうと予想していたが、仮面舞踏会とは思わなかった。交友を目的にしているというのに、わざわざ仮面をつけるのも、おかしな話だ。

「あぁ、仮面舞踏会だよ。交友パーティといっても、互いに不信感があるからね。だからこそ、仮面で正体を隠すのさ。相手の顔が見えなければ、よっぽどの知り合いでもない限り、フェガリ人かシャムス人か分からないからね」
 カミリアはこの理由に納得した。フェガリ人のことはよく知らないが、シャムス人の陰湿さはよく知っている。きっと普通の舞踏会だったら、シャムス人はフェガリ人と踊るのを避けただろう。避けるならまだしも、あえて一緒に踊って、後で仲間達と馬鹿にするのは、目に浮かぶ。

「けど、これは表向きの理由。本当は誰が誰だか分からなくして、暗殺を食い止めるため。それと、シャムスの騎士団長と副団長がその場にいることを誤魔化すため」
 暗殺という重い言葉に、気が引き締まる。自分がそういった輩からラウルを守るためにいるのだと、改めて実感した。
「私はともかく、ラウルはそんなにシャムスの貴族に知られてないと……」
 彼が貴族の護衛をする際、彼らに気に入られていたことを思い出す。特に女性人気は凄まじかった。「是非とも私の専属騎士になってほしい」という女性が大勢いて、中には宿舎や訓練所に押しかける者もいた。

 女性人気は、単にラウルが美丈夫だからというだけではない。彼は女性達の服や装飾品のこだわり、美貌などを褒めちぎり、細かいところまで気遣っていたのだ。護衛というより、エスコートと言ったほうがしっくり来る。
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