この作品は18歳未満閲覧禁止です

  • テキストサイズ
氷の戦乙女は人たらし公爵に溺愛される〜甘く淫らに溶かされて〜
第5章 5章 陰謀渦巻く舞踏会
 サウラの恋を叶えるためには、どう変えるのか聞こうとすると、ワルツが流れ始めた。辺りを見ると、紳士は淑女をダンスに誘っている。
「愛しい人、僕と踊っていただけませんか?」
 ラウルは微笑を浮かべ、手を差し伸べている。優雅な笑顔と仕草に不覚にもときめいてしまい、断りたくなったが、今の自分はラウルの婚約者だと言い聞かせ、彼の手を取った。
(ドキッとしたのは、この場の空気のせい)
 ラウルにときめいたわけではないと、無理やり思い込みながら、ラウルの肩に手を添える。

 ゆったりとした音楽に合わせ、ステップを踏む。馬車の中では上手く踊れるか心配だったが、ラウルに身を委ね、リラックスして踊れている自分がいた。あちこちから賞賛の声が聞こえ、嬉しさと照れくささが入り交じる。
「注目されてるね、僕達」
「あなたが私を踊らせるのが上手いから」
「カミリアが魅力的だからだよ。他の男に取られないように、気をつけなくちゃ」
 不意に耳元で囁かれ、胸が高鳴る。ときめきを、雰囲気のせいにできなくなってしまった。

 曲が終わると、ふたりは飲み物を取りに食事が用意されている部屋へ向かう。その途中、誰かがラウルを呼び止めた。
「やぁ、ラウル。さっきのダンス、素晴らしかったよ」
 焦げ茶色の髪をオールバックにした青年が、にこやかに話しかけてくる。黒い仮面をしていても、美青年なのが分かる。
「ありがとう、アストゥート。僕のパートナーが素晴らしいからね」
 ラウルはカミリアの肩を抱き寄せる。その手は他の貴族に紹介してもらった時よりも、力がこめられていて。守られているような気がした。

「美しい女性だね。初めまして、俺はアストゥート・ギタレス。ラウルとは古い知り合いなんだ。よろしく」
「ラウル様の婚約者、ソニアです」
 差し出された手に気づかないフリをして、うつむき気味に挨拶をする。
「ソニアはちょっと人見知りでね」
 ラウルはカミリアの髪を撫でながら、彼女を愛おしそうに見つめる。アストゥートは一瞬顔をしかめるも、すぐに笑顔になる。
/182ページ
無料で読める大人のケータイ官能小説とは?
無料で読める大人のケータイ官能小説は、ケータイやスマホ・パソコンから無料で気軽に読むことができるネット小説サイトです。
自分で書いた官能小説や体験談を簡単に公開、連載することができます。しおり機能やメッセージ機能など便利な機能も充実!
お気に入りの作品や作者を探して楽しんだり、自分が小説を公開してたくさんの人に読んでもらおう!

ケータイからアクセスしたい人は下のQRコードをスキャンしてね!!

スマートフォン対応!QRコード


公式Twitterあります

当サイトの公式Twitterもあります!
フォローよろしくお願いします。
>コチラから



TOPTOPへ