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氷の戦乙女は人たらし公爵に溺愛される〜甘く淫らに溶かされて〜
第6章 6章 光と影
「全部全部あんた達が悪い! ラウル様は私を見ていればよかったの! お父様、相応の立場の人と結婚なさいって言ってたじゃない! カミリア! お前はシャムスの騎士のくせに、ラウル様の隣にいるなんて図々しいのよ! ハーディ! あんた、カミリアがいなくなればいいって言ってたじゃない! どうして助けたのよ!?」
「リュゼ、貴女……」
「うるさいうるさい! お前みたいな庶民が、気安く私の名前を呼ぶな! 私のラウル様に近づくな! 私のものにならないなら、殺してやる!!!」
 リュゼは血走った目でラウルに突進していく。その手には、銀色に鈍く光るナイフが握られていた。

「させない!」
 カミリアは燕尾服をリュゼに投げつけた。燕尾服は見事に覆いかぶさり、リュゼの視界を奪う。リュゼの動きが一瞬だけ止まり、その隙にカミリアは彼女を横から蹴り飛ばした。すかさずハーディは燕尾服を退かし、脇腹を抱えてうめき声を上げているリュゼを確保した。

「いやぁ! 離しなさいよ! あんただってカミリアに死んでほしかったくせに!」
「私はカミリアに死んでほしかったんじゃない! 貴女と一緒にしないで」
 捕まっても抵抗するリュゼに、フローレス公爵が歩み寄る。リュゼは縋るように父を見るが、軽蔑の目を向けられていた。
 乾いた音が、広々とした庭に響き渡る。リュゼの頬には、大きな手形がついた。

「お前がやったことは犯罪だ、リュゼ。話は後で聞いてやる。ハーディといったな。その子をうちの地下牢に閉じ込めておくように」
「はい」
 ハーディはリュゼの手を後ろ手にまとめると、無理やり歩かせた。それでもリュゼは、こちらに振り返って暴言を吐き続けていた。

「なんだか、とんでもないことになったわね……」
「あぁ……。けど、君が無事で本当によかった」
 見つめ合うふたりを邪魔するように、フェガリの老貴族が咳払いをする。そちらを見ると、他の貴族達も不満げな顔でこちらを見ていた。
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