この作品は18歳未満閲覧禁止です
- 小
- 中
- 大
- テキストサイズ
貴女に溺れて彷徨う
第5章 見返りという甘い汁
甘い匂いに浮かれる街につられたようにして、仕事上がりにひなたと訪ねた睦の部屋にも、チョコレートが買い置いてあった。
夕餉のあと、例のごとくひなたから順に風呂に入った。
そして三人の中で最もドライヤーに時間のかかる、彼女の腰近くまである黒い巻き毛が乾く頃、一同示し合わせてでもいた風に、淫らなムードに落ちていく。
「ひなたちゃん、はい、チョコレート」
「ふぇっ?ァッ……」
自ら所有している人形でも扱う手つきで、睦がひなたのシフォンのベビードールの裾をめくって、へその周りにとろりとした液体を垂らした。
とびきり可愛いディテールでも、あちこち透けて下着の役目さえ放棄しているひなたのそれと同じ色の液体は、側で眺めているだけで、甘い匂いが身体中に染み渡る。
「ゃぁんっ……──んなっ、とこにぃ……どぅっ、するんですかぁ……」
「もちろんひなたちゃんを食べるんだよ。甘いお菓子みたいな君に似合うと思って用意したんだ」
「ふんんっ」
睦が刷毛を這わせる度に、苺の果粒の混じったチョコレートが、ひなたの肌を彩っていく。
ひくひくと身をよじるひなたのへそ周りを啄む睦は、腰や太ももを撫でながら、みだりがましい音を立てて、わざわざ塗ったチョコレートをあっと言う間に平らげた。