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Memory of Night 2
第23章 墓参り

 晃は笑う。腕や背から伝わる温もりは心地良くて、眠くなってしまいそうだった。

「……宵、大好きだよ」

 耳元で囁かれる。ベッドや行為中以外で愛情を伝える言葉をくれる時も、どこか甘えたかったり不安に思う何かがある時が多い気がして、宵は横目でちらりと晃の様子を窺った。
 晃は目を閉じて、宵の肩に頭を預けている。その重みも心地が良かった。

「はいはい。んじゃ洗い物して。なんか、こうやってたら面倒くさくなってきた」
「うん、いーよ。珈琲も淹れるよ」

 晃は軽く伸びをし、宵から離れた。充電は終わったらしい。
 宵は少し前から迷っていたことを言ってみることにした。

「なあ、土日のどっちか、空いてる?」
「今週? 予備校ないし、どっちも空いてるよ」
「なら、昼間少し付き合え」
「どこに? 買い物?」

 宵は首を振った。
 本当は一人で行こうと思っていたが、その場所は少し遠く、電車に乗らないといけなかった。一人旅だと気分も滅入る。
 晃を誘ってみようかどうしようか、迷っていた。

「いや、あんま楽しいとこじゃなくて悪いんだけど……」
「いいよ、全然。宵といられるならどこでも嬉しい」
「ほんとかよ」
「本当だよ。で、どこ?」

 宵は自分の体も晃に預けながら、躊躇いがちに呟いた。

「ーー両親の、墓参り」
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