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Memory of Night 2
第30章 花魁ショー

 春加はうっすら目を開けた。アパートの、見慣れた天井が映った。
 ベッドの上で体を起こし、荒れ果てた自室を眺める。
 起き抜けにまずは一服。それはもう長年の習慣で、腕が勝手にタバコに伸びていた。
 ローズに行かなくなって、もう一週間になる。早退すると言って店を飛び出してから、一度も出勤していなかった。
 最初の三日間くらいは休む連絡を入れていたが、四日目以降は無断欠勤。こんな形で仕事を投げ出したのは、初めてだった。

(そろそろクビかな)

 スマホに亮から何度か着信があったが、それも無視し続けていた。
 二日酔いはとっくに治っている。頭痛と倦怠感と、微かな空腹。それだけ。
 家に引きこもっている間、あまり食べていなかった。

(最後食ったのいつだっけ)

 空腹を感じるたびに、タバコを咥えた。それでとりあえずしのげる気がした。

(どこか遠くに行きたいな)

 ーー何千、何万回も思ったことだ。丸ごと今の自分を捨てて、新たに生まれ変われたらいいのに。
 思考が沈みかけていた時だった。
 部屋のチャイムが鳴った。
 春加はわずかに顔を上げたが、無視した。
 やがて玄関のドアが開く音が聞こえ、部屋に誰かが現れる。
 合鍵で入ってきた時点で、誰かはわかっていた。

「不法侵入」
「ーー何度も電話しただろ」
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