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Memory of Night 2
第31章 来訪者


 ーー亮に両親との思い出を話してから、宵の中で強く引っかかっていることがあった。本当はもっと前から気になっていたのかもしれないが、無意識に、向き合うことを避けていたのかもしれない。
 両親の離婚理由と共に、ずっと蓋をしてきた疑問。離婚理由に関連してもう一つ。それは父秋広の不倫理由だ。
 父秋広は交通事故に遭う前、宵の育ての親である志穂と体の関係を持っていた。志穂の話だとたった一度だけらしい。事故が起こった日、病院に飛び込んできた志穂から直接その事実を聞いた。
 そのことへの罪悪感から、身寄りのなかった宵を引き取り育ててくれたのだ。十歳の時に彼女の家に引き取られてから、必死に働いて学費や二人分の生活費を稼いでくれた。だがもともと体が弱いのもあり、宵が中学二年生の時に倒れ、そこから長い間入院していた。病気にもかかり、ようやく退院できたのが去年の秋口だ。
 だが、父と志穂との不倫関係の話にはどうしても違和感を感じてしまう。
 あれだけ桃華にゾッコンだった秋広が、他の女性を好きになることなどあり得るだろうか。宵が物心ついた頃から、秋広にはいつも桃華の話を聞かされていた。夕飯の席で、あるいは眠る前のベッドの中で。まるで昔ばなしを語るように、幸せそうに母とのエピソードを話して聞かせてくれた。ずっと母だけだった。他の女性の話など、覚えている限り一つもない。
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