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Memory of Night 2
第33章 撮影旅行前夜

「あ、電気……っ」

 ベッドを照らす小さなライトのみだったはずが、部屋全体が急に明るくなり、宵は慌てて薄手の毛布を手繰り寄せた。晃の仕業らしい。
 夏は毛布一枚だけで寝ているが、それもすぐに晃に取り上げられてしまう。

「ダメ」
「……じゃあ電気消せよ!」
「やだ。宵の体、よく見えなくなっちゃうじゃん。たまには明るいところでするのも新鮮でいいだろう?」

 甘くねだるようにしてそう囁いてくる。おもいきり首を横に振ってやろうとしたが、そのまま口付けられできなかった。舌先で下唇をつつかれただけで、ぞわりとした。
 だがすぐに晃は唇を離し、宵のそばから離れてしまう。

「ーー見せて、宵のエッチな姿」
「変態……っ! 店に来る客よりやばい趣味してるぞ……」
「えーありがとう。そんなに褒めてもらえるなんて」
「褒めてねーって!」

 どちらかというと罵ったつもりなのに。
 だが実際、宵にはどうしようもなかった。ほぐさないことには入らないし、晃は本当にしてくれるつもりはないらしく、ベッドの足元の方で、楽しそうにこちらを見ている。
 奥が疼いて仕方なかった。

「電気……」
「ダメ」
「せめてもう少し暗く」
「しょうがないなあ……」
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