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Memory of Night 2
第34章 衣装合わせ

「……別に、わざわざ追い出さなくたっていいじゃん」

 晃が持つ着物に袖を通しながら、宵が問いかける。目前の晃は、姿見越しに顔をあげた。

「みんなに裸見られたかった? 露出系好きだっけ?」
「違うっつの。ずっと裸なわけじゃねーじゃん。今回下着もつけてるし」

 裸になるのなんて、ほんの一瞬だった。その時だけ物陰にでも隠れればいい話だ。
 浴衣を着るのに、二、三十分かかるだろう。その間、ずっと外で待たせるのが忍びなかった。

「……ごめん、一瞬でも嫌でさ、君の裸をあの人達の視界に入れるの。でも確かに隠れればいいだけだった」

 この部屋には物が多く、ひょいっと隙間に隠れてしまうのは容易いだろう。

「ま、いっか。待たせてる間気まずいし。でも、やっぱおまえが着付けしてくれて良かった。あのおっさんじゃなくて」
「……本当だよ。下着も肌襦袢もなしで直接浴衣だけ羽織るって、聞いたことないけど。ーーでも断らないんでしょ?」
「ここまで来て、さすがにやだとは言えなくね?」

 アメリアたちの、撮影にかける情熱はひしひしと感じる。亮に説明された肌襦袢無しの理由も嘘ではないのだろう。そうしたらもうしょうがない、と割り切る以外ない。
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