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玉蘭花の香り
第4章 初めての夜
ロンの顔を見てた私は笑ってしまった。
「私が子供の頃、習った先生がね、
台湾の学校でまだ教鞭を取られているの。
学校、見せていただきたくて」

「なんだ。おじいちゃんか。
だったら良いよ」




席を立つと、副支配人が「これを」と言って、
ピンク色の薔薇のブーケを手渡した。

「お部屋にどうぞ。
ささやかなお祝いの気持ちです」と言った。


お礼を言って、ロンと手を繋いで部屋に戻った。


「外は雨でも暑いから、タクシーで移動するんだよ」とか、
「会社から運転手を用意させようか?」と言うので、

「昔の先生の学校に運転手付きの車で行ったら、
何事かと思われちゃうわ」と笑ってしまった。


そして、昨日と同じようにエントランスまでロンを見送ると、
ロンはみんなの前で抱き締めて額にキスをした。

「恥ずかしくて卒倒しそう!」と言うと、

「額だよ?
唇の方が良かった?」と耳元で言われて、
ますます紅くなってしまう。


ドアマンとすれ違う時、
ロンは彼のポケットにチップを入れて、

「僕のお姫様がタクシーに乗る時は、
一番安全なのを選んであげてね」と言うのが聞こえた。


私はロンのタクシーが見えなくなるまで手を振って、
くるりと向きを変えると、
ホテルのスタッフがニコニコして自分を見ていることに気づいた。


お辞儀をして思わず小走りで部屋に帰って、
息を整えた。





ロンのお父様に言われたエステに電話をして、
名前を言うと、
「終日どのお時間でもお越しください。
午後でしたら社長は顔を出されると申しておりました」ということなので、
午後3時頃に伺うことにした。


そして、学校の方は午前中に見学させて貰うことにして、
先生にも連絡をした。


時間が少しあるので、
乱れたベッドを軽く治して、
玉蘭花も集めてティッシュにくるんでゴミ箱にそっと捨てた。
バスルームのタオルなども一纏めにしておいた。

愛し合った痕跡を、他人に見られるのはこの上もなく恥ずかしくて、
窓を開けて空気も入れ替えながら、
ベランダで少し本を読んだら、気持ちが落ち着いた。


ブーケをデスクに置いて、
「花瓶を貸してください」と中国語で書いて、
折り鶴を添えてチップを置いた。

台湾はチップは不要と言われているが、
それは私の習慣だった。


それが、2人の初めての夜の出来事だった。

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