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玉蘭花の香り
第10章 2つの結婚式
11月の最初の大安吉日に、
日本でのこじんまりした披露宴を親族だけで執り行うことになっていた。

ビジネスクラスでロンの一族と短いフライトをして、
両家の親族だけでの結婚披露宴になった。


私の親族は全員、和装の第一礼装で、
そして、ロンの親族も、台湾らしい装いでの出席となった。


日本での結婚式は、
私の家に合わせたものでということだったので、
神式で厳粛にとなり、
子供の頃から受験の度にお世話になっていた祖父の家近くの神社で執り行った。

ロンも日本の着物を着てみたいと言うので、
紋付袴姿でとなったが、
長身でとても似合っていた。
私も、嫁ぎ先に染まるという意思表示を表すという白無垢で、
静々とロンに従った。

式の後、境内でお写真も撮っていただいた。




その後、ホテルに席を移しての披露宴を兼ねた家族での食事会になった。

お色直しに、ロンは格式の高い織りの生地に刺繍が施されたマオカラーのスーツに着替えて、
私は振り袖に着替えた。

黒地の大振り袖は古典柄の格の高いものを母と祖母が選んでくれたが、
八掛は真紅に見えるけれど良く見ると鱗模様のものにして、
長襦袢は男性用の反物から龍の模様のものを選んだ。
どちらも表からは見えないが、ロンに護られますようにと龍に因んだ柄になっていた。


両家を代表して、
ロンのお祖父様と私の祖父がご挨拶をした。

隠居のようなものだからと遠慮していた祖父は、
私の子供の頃のエピソードを話してくれた。

孫たちが男の子ばかりということで、
小さい頃から私のことを殊更可愛がっていてくれた。

前回の結婚式ではとても私のことで心配を掛けてしまったこともあり、
今回のことは国際結婚となったことは驚いてはいたようだが、
とても喜んでくれていた。

若い頃、貿易会社を起こしてその会社を大きな企業へと成長させたが、
息子達には好きなことをやりなさいと言ったので、
長男である伯父は役人に、
次男である私の父は学者に、
その下の弟は医者になってしまい、なかなか会社経営から引退出来ない。
自分の仕事を継ぐのは、度胸があって語学が堪能な私にしたいと期待していたと、冗談めかしながら話した。


ロンのお祖父様も、一族のことを紹介するエピソードを織り交ぜながら、ロンや私に対する深い愛情を感じさせるようなお話をしてくださった。


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