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玉蘭花の香り
第10章 2つの結婚式
同じ月の下旬の台北での結婚披露宴。

初めてロンと過ごしたホテルでの開催となったが、
物凄い規模で、
結局、何人のお客様がいらっしゃっているのかも判らないほどだった。
台湾式ということで、
お祝いをするお気持ちの方が次々いらっしゃる感じで、
途中で部屋を広げていただくことになるほどだった。


日本からの家族の為にと、美容師さんにも同行して貰い、
ロンのお父様からのリクエストで大振袖も着た。
ロンも楽しそうに紋付袴姿で隣に立つと、
テレビクルーや新聞社のカメラマンも含めて、
沢山の方に写真や映像を撮られた。

また、中国風の衣装は、
本当に美しい刺繍が施されていて、
結い上げた髪にはロンのお祖母様も使ったという翡翠の飾りをつけて貰った。
身体にぴったりした特注のもので、
布製のヒール靴で歩くのが難しく、
ロンに腕を持って貰わないと歩けないほどだった。

こちらも撮影時間が長くて、貧血になりそうになった。


最後にタキシードとドレスになると、少し自由に動けるようになったので、
ロンと2人、ご挨拶をしながらお客様のお席を廻ることが出来た。


こんなにも沢山の方に祝福されていることも嬉しくて幸せで、
何度もロンと見つめ合いながら微笑んだ。


恩師の言葉通り、私達の結婚披露宴の様子は、
翌日のテレビや新聞、週刊誌などにも載り、
改めてロンの一族の存在の大きさを知った。


ただ、ロンやロンの家族はそんなことはあまり気にも掛けていないようで、

「こちらの新聞の方がメイが可愛く撮れている」
とか、
「ここのカメラマンは知り合いだから、
写真貰おうか?」と楽しそうに話しているだけだった。



学校では、同僚の先生方から結婚式の規模と、ロンの一族のことをあれこれ言われた。

私は曖昧な顔で笑いながらも、
これって、ある種のシンデレラストーリーとか、
玉の輿っていうことなのかしらと思ったりもした。


でも、本当に、
ただロンに惹かれて、
そしてロンも私のことを好きになってくれた。
それだけのことだという気持ちでしかなかった。


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