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不誠実なカラダ
第4章 愛されたい それよりも
やばい。

こんなところ、見られたくない。

私は典浩を押しのけて、下着を履いた。

「おい!」

部長が昇ってくる。

私は咄嗟に、典浩の背中に隠れた。

「すみません。」

典浩が後ろを向いて、部長に両手を挙げて見せた。

「なんだ、いたのか。」

「はい。彼女とイチャイチャしてました。」

「ははは。若い奴はいいな。」

部長は笑いながら、階段を降りて行く。

ほっとしたその時だ。


部長と、目が合った。


ドキッとする。

顔を見られた?

ドキドキが治まらない。


「大丈夫だ、行ったよ。」

典浩が私の肩を掴んだ。

「うん、有難う。」

お礼を言うその声も、細かく震えている。

「環奈?大丈夫か?」

「うん。典浩、私先行くね。」

「ああ……」

私は典浩を置いて、非常階段から出た。


あんなに情熱的なキスをしたのに、一つに繋がったのに。

思い出すのは、部長のふとこっちを見た顔だけ。
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