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第4章 孤高の女

社長が迎えに来てくれて、
車で懐石料理の個室で夕食を取った。


「ケン、偉いわ。
こんな大人のお店でお行儀良くお食事出来るなんて！」と言われて、

「グランマともっと一緒に居たいな？」と恥ずかしそうに言った。


お母様は、社長に、
「わたくし、家に戻ろうかしら？」と突然言った。


「それは嬉しいな」


「その代わりにね、
百合さんとの結婚、
真剣に考えて欲しいわ」


「俺はそうしたい。
あとは、百合次第かな？」


「秘書室、私が辞めたら、
また、補充しないといけませんよ？」


「うーん。
それも困るな？
百合は優秀だから、
室長が許してくれないかもしれないしな？」


「秘書じゃなくて、役員にしちゃえば？」


「母さん、それは乱暴かな？
役員会とかにも通らないよ」


「まあ！
面倒ね？」と笑った。


「それで、百合さんの気持ちはどうなのかしら？」


「私は…
まだ、翔吾さんにお話しをしなければいけないことがありますので…」


「そうね。
その話をしてから、
考えてみて？
急がなくて良いわよ。
まだ若いから、これから子供だって授かれるしね？」
と、お母様はウィンクした。


そして、その日の夜、
家に戻ってから、
社長に、「その話」をすることにした。