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そぶりをやめて
第18章 220日
今まで休みの日にべったり一緒に居たのは、コロナのせい、ってのがほとんどで。
ワクチンも一応摂取したことだし。
コロナが治まりつつある今日、基本的対策を取りさえすれば、どこに出かけようと、さほど問題ない。

「いや。だから、うちの両親がさ」
「え?」

佳佑の両親?
それなら、別にこそこそしなくたって。
別に実家に行くのを止めたりしませんけど。

「明日、汐里の働いてるトコに行くつもりにしてて」

...ああ。

どちらも中学の教員で、平日はもちろん休みが取れない。
日曜祝日なんかも、部活やら高校受験の準備とかで忙しい。

先日のオープンに合わせてお祝いのお花を贈って下さって。
お礼のお電話をしたら「食べに行きたいけど〜。忙しくて、なかなか行けそうにないわ。ごめんなさいね」と言われたばかりだ。

「祝日なら行けるから、こっそり行って驚かそう。って、張り切っててさ」

プレオープンに、祖母のきえちゃんは来てくれてて。
それもあって、絶対行くと張り切っていたらしい。

「なんか、花とかも頼んでるらしくて」
「ええっ。お花は、もう貰ったよ」

お花を頂いた話は、佳佑にもちゃんとしたはずだ。
結構大きなアレンジメントで。
可愛い様々なお花が色とりどりで、写真に撮った。
それも、見せたはず。

「あー、いや。なんか、俺が抱えて行く用の?らしいけど...」

は?
佳佑も来るの?

ん?
抱えて?花を??

「花が無かったら、別に慌てないんだけど。それがあるから、連絡をしないとと思って」

佳佑の手の中のスマホが、音を立てている。

「やっぱり、もう無理だわなぁ」

夜の9時をまわっていて、当然花屋さんには連絡つかないらしい。

見せてくれたスマホの画面には、佳佑の母親から、怒ってる文章とスタンプが山のように送られてきてる。

『何でちゃんと確認しないの!』

『佳佑が、明日はお店してるって言うから!』

『お父さん、張り切ってもう寝ちゃってるし!!』

『お母さんだって、美容院行ってきたのに!』

『お姉ちゃんには、自分から連絡しなさいよ!』

『お花も明日、ちゃんとお店に取りに行ってよ!!』


「...ごめん。最初止めたんだけど、皆めっちゃ張り切っててさ」

スマホを持つ佳佑がしょんぼりしている。



いつもなら確認しまくる佳佑なので、こんなミスは珍しい。
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