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そぶりをやめて
第18章 220日
「...良かった」
「早めにお義母さんにも言っとこ」

汐里が電話を掛けると、佳佑の母親がすぐ出た。

挨拶もそこそこに、早口で説明をすると、すごく喜んでくれた。

「ああ、良かった!もう一生行けないかと思ったわ〜」

一生は大袈裟だと思うけど。

「私も汐里ちゃんに直接聞いたら良かったのに、ごめんなさいね〜」
「いえいえ、こちらこそすいません。きちんと休みをお伝えしてなくて」
「そんな。汐里ちゃんは悪く無いわよ〜。悪いのはね、佳佑よ!」

いつもなら、佳佑がしっかりしてるから。
まさか、こんな事態になるとは、だれも思ってなかった。

「あの子、しっかりしてると思ったんだけど〜。意外と抜けてるのよね〜。実は幼稚園の時にね」
「悪かったね。実はしっかりしてなくて」

汐里からスマホを取った佳佑が、止まりそうにない悪口を制止する。

「幼稚園の時の話とか、何年前の事言ってんの。切るよー」
「あら。ちょっと、佳ちゃん、あなたね...」
「はいはい。また連絡するから」

スマホの終話を素早く押した。

「...ごめん」
「えー、幼稚園の話、聞きたかったな〜」

まだ繋いだままの手を、ぶんぶんと振り回す。

「お義兄さんたちにも、謝らないとだな」
「今日はもう遅いし。またでいいよ」
「うん...」

佳佑がまだしょんぼりしてて。
なんだか可愛く思えてきた。

リビングの椅子に座ってる佳佑の頭を両手で力いっぱいぐしゃぐしゃっとする。
騒ぎの前に風呂から上がったとこで、まだ生乾きだ。

嫌がるかと思ったのに、なんだか大人しい。

「もう!気にしすぎ」

顔を両手で挟む。
勢いがついて、地味に音がした。

「いたい...」

変な顔。

寄った顔が、見たことなくて面白い。


ちゅっと唇を重ねた。

これには佳佑も、挟まれたまま驚いた顔をしてる。

これまた面白い顔。

「ふふふ...」

挟んだ手をぐにぐにと動かしてみる。

「...ちょ、痛いって」

流石に手を掴まれて、顔から離れた。

その手をそのまま引っ張られて、同時に立ち上がった佳佑に抱きしめられる。

「...ちょ!」

今度は汐里が驚く番だ。

「汐里...。ごめん」

大袈裟な。

でも、しょんぼり佳佑が復活したみたいで、よかった。

「はいはい。風呂入ってくるから、離して」
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