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そぶりをやめて
第20章 260日
「えっ。そうなの?」

汐里の母親もそうだが、佳佑の母親も。
会う度に、本当は子どものこととか聞きたいんだろうな〜。
という、なんだか奥歯にモノが挟まって、なおかつ、とおーい所から恐る恐る探ってきたりする。

佳佑の祖母のきえちゃんには。
「仲良くしてる?仲良くね」
と意味深に手を握られるし。

汐里の祖父母である龍彦とよしえからは「もっと肥えんといかん」とかって、いつも説教されて。
作った野菜やら買っておいたお菓子やら沢山渡されて。


皆、期待してるのは分かる。

けど、年齢のこともあるし。
やっぱり安定期までは...、と思う。

まぁ、とにかく。
医師に相談しなきゃ、始まらない。

「なるほど。分かった。病院、な。そうだね。うんうん」

なんだか佳佑のが緊張してるようで、それを見て汐里は落ち着いてきた。

「とりあえず、ご飯にしようか」

いい時間なのに、まだ何も料理してない。
簡単に鍋がいいかな。昨日、野菜を貰ってきたばかりだ。

立ち上がって部屋着に着替え、キッチンに向かう汐里を、佳佑が慌てて追いかける。

「えっ。大丈夫?料理とか、していいの?」
「大丈夫でしょ。昨日まではしてたワケだし」

今日も、普通に仕事してきた。

つわり、と呼べるほど、まだ気持ち悪くはない。

そういえば、このところハンバーグを見ても食欲が湧かなくて。
好きだったのに、試食で食べすぎたからかなぁと思っていた。

ん?あれっていつぐらい??

以前は、ネットドラマとか見たり好きな音楽とか聞いていた夜更かしも、慣れない体力を使う仕事しているからしなくなった。

それに。
早めにベッドに入って、佳佑と“仲良く”してたから。
そのまま、以前より早めに就寝して。
早く寝るからか、佳佑とまた朝も“仲良く”するからか、早めに起きるようになり。

結婚当初とは、生活リズムが変わってきている。

そんなこんなで、まったく妊娠の兆候に気づかなかった。


「俺、料理するよ。ゆっくりしてたほうが...」
「いーよ〜。大袈裟だなぁ」

妊娠初期は、あまりアクティブでハードなことはしないほうがいいとは思うけど。

ご飯は作れるさ。

簡単なものに限るけど。

でも、それって、前からだし。

「それより、洗濯物しまってくれたほうが助かる〜」

窓際に干してある洗濯物を指さす。
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