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そぶりをやめて
第22章 3815日
背中の肩の辺りが、擦れて少し赤くなってる。

その背中を抱きしめて、赤くなった部分にキスをする。

「...汐里」
「うん...」

さっきとは打って変わって、ゆっくりとベッドに2人で沈んでゆく。

蚊帳の部屋にあった布団も、色はともかくふかふかだった。

だけど、そんなのとは比べ物にならないほど、ベッドがふかふかだ。
無理矢理滑り込ませた体に、上下のシーツがまとわりついてくる。

互いの肌を撫で回し、肌という肌を近づけて、唇で触れる。
腕を体に回し、足を絡めて、顔を寄せる。

佳佑の指先が、肌をかすめるように触れるのも。
肌と肌が密着してるのも。
全てが、心地よいうえに、艶めかしくて。

時折、視線が絡むだけで、ぞくりとしたものが増してゆく。

体の奥が疼いてくる。

もっと触れたい、触れられたい。

だけど、ずっとこうしてたい。

「...佳佑?」
「うん?」

唇と唇が、今にも触れそうなぐらい。

話している吐息が、薄く開いた唇に吸い込まれてゆく。

「...何?」

引き寄せられるように、その唇に口付ける。

軽く吸い付いて、ゆっくり離れる。

「汐里?」

嬉しそうに、佳佑が笑ってる。

何で名前を呼んだんだっけ。

頬のあたりにやっている手に、佳佑が顔を動かして口付けをする。

そのままその手を掴み、指を絡めてその指にまたキスをしている。

何気ない、よく見る気がする光景なのに。
胸がぎゅうっとなる。

「佳佑...」
「だから、何?」

より嬉しそうに笑い出して。

「何かシて欲しいことあるの?...いいよ。言って?」

耳元で優しく囁く。

甘い声とは裏腹に、固くなってきたモノを、汐里の広げた足の間に押し当てている。

「っ...んっ」

首すじから耳元を、舌がべろりと舐め上げる。

太ももを掴まれて、より広げられ引き寄せられてゆく。

ぐるりと体が入れ替わって、汐里の身体が上になる。

「...それとも。シたいことがある。とか?」

冗談っぽく佳佑はそう言ったかもだけど。

そうかもしれない。

そうよ。

この家に着いてから、ずっとヤられっ放しで。

背中にあるシーツを跳ね除けるように起き上がる。

「えっ、マジで?」

仰向けになって顔だけ持ち上げてる佳佑の、足の間に滑り込むように移動する。

移動しながら、手を伸ばし顔を近づける。
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