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第55章 進の急変

離婚を考えてたのに、いざこんな姿を見せられると私は改めて進の家族としての大切さを感じた。


あたりまえ。


進の存在が長い年月の間に空気みたいになっていた。


男としてではなく人としての絆。


いつの間にか日々の暮らしの中で深まる見えない糸。



今、この人を一人には出来ない。

この瞬間離婚という気持ちは消え去った。




「…んん」


進がゆっくり目を開けた。