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TRUE COLORS ~PURPLE~
第28章 New Year
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お兄ちゃんにも喝入れられちゃったなぁ。
結局、私って自分の口から朝比奈さんにきちんと想いを告げられないだけで。
歌とダンスで告白した気になっていただけ、と結論が出ただけで。
確かに、そうなのよね。
桜井さんだって、私にきちんと言葉で好意を伝えて下さったもの。
自分も小説の中で、偉そうに『言葉でちゃんと伝えてくれなきゃわかんないよ。』
とか書いてるくせにね。
そのくせ、自分が傷付くのが怖くって。
一度も朝比奈さんにまともに向かい合っていない。
お兄ちゃんは、言わせるように仕向けろとか言ってけど。
私にそんな高等技術はない。
素直な気持ちをぶつければ、いい、のだけれども。
それが出来たら。
こんなに悩まないんだよぉ。
「お前の友達も言ってるように、丁度バレンタインデーもあるし。
結城新のチョコレートのチカラ借りろよ。」
お兄ちゃんもたくさんチョコを貰うらしい。
義理チョコもあるけど、
やっぱり本命チョコを今まで何とも思ってなかった人から貰ったりすると、
その方の事は今までとは違う見方をするようになったって言ってたもんね。
自分をそういう風にみてくれた方に対して、失礼のないようにと。
自分に心を寄せて下さったのだから。
その方の手を取る取らないは又別の話だけれど、と言ってはいたけれど。
でも、男だって告白してくれた気持ちだけはきちんと受け止めるもんだぜ?
女も同じだろ?
と笑っていた。
だから、お前も本当はそうすべきなんだ。
終止符打つくらいの覚悟があるって言うなら、それくらいはしなくちゃな。と。
PCを立ち上げ、結城君からのお仕事依頼メールをもう一度開いてみる。
『元気か。今年もこの時期がやって来た。通訳頼む。連絡くれ。くれたら電話する。』
なんとも素っ気ないメールだけれど、彼らしいったら彼らしい文面。
結城君、どこにいるのかしら。
電話するっていっても、向こうが何時かもわかんないけど。
取り敢えずメール見た旨だけでも、返信しておこう。
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