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あなたの手当て
第4章 温泉に行こう
ある日
登米の菅波先生から電話。
「百音さん、サヤカさんから
鳴子温泉の宿泊券を頂いたのですが
お休みの日に一緒に行きませんか?」
鳴子温泉と言えば宮城でも有数の温泉地。
「サヤカさん、人から頂いたのに都合で行けないと言うのでどういう訳か僕に回って来たんです。2人分ありますし、たまには2人で出掛けませんか?」
思いもよらない誘いに
百音は驚いたのと
菅波先生からお出かけの誘いが嬉しかった。

2人がお休みの日に合わせて予約をしておいた温泉宿はなかなか高級宿そうな
お宿で
部屋に入ると二人は唖然としていた。
「え?シングル2つじゃないの?」

部屋は和室と洋室半々になっていて
和室には座卓に座椅子
洋室にはセミダブルのベッドが2つ

「先生と私、一緒の部屋ですか?」
「どうやらそのようですね」

一瞬二人は固まってしまったが
「部屋、変えてもらいますか?」
先生が気を遣って言うと
「私、先生と一緒がいいです」
百音のくそ度胸が発揮されるのだった。

バスルームは奥にあって覗いてみると
外に露天風呂がついていて
白濁の温泉が滾滾と湧いていた。

「先生、お風呂、すごいですよ」
「風情あっていいですね、一緒に入りましょうか?」
冗談半分で先生が言う。
「え?い、一緒にですか?
そ、そ、それは、どうなんでしょう?」
慌てふためく百音

ふふ、と先生が
「あれだけ愛し合っていて今更じゃないですか」
と笑う。
「今までは暗くて見えなかったじゃないですか、明るいと恥ずかしいです」
百音が遠慮がちに恥じらう。

そんな可愛らしい姿を
先生は愛おしいとさえ思い、
ふわりと百音を抱きしめる。
ゆっくりと口付けをすると
もの惜しそうに離れ

「では続きは食事の後にしましょうか」
と言う先生に
「はい」
百音は答えた。




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