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いろはにほへと
第6章 お吉との別れ

「なあ先生様…うち、おめこしてみたいんや…」

お民と与作の疑似おめこ事件が落ち着いた頃、
お民は策ノ進に告げた。


あの日、与作のへのこで
おさねを刺激された快感を知ってから

夜毎布団の中で声を押し殺して
指あそびをしているのだと告白した。

快感を覚えた若い体は一気に目覚め始める。

お民とて例外ではなかった。


「いいかい、お民よく聞きなさい。
初姦通は人生一度きりなのだ。
その時は目出度い証におめこから血が出る。
将来、婚姻を迎える殿方と初枕の時に
おめこから血が出なければ、
その殿方はいたく残念に思うであろう。
よいか、将来のために初姦通は大事に取っておけ」


「うち、真剣やで…
出来ることなら先生様と
婚姻を結びたいぐらいやねん」

その様なことを言われては
男冥利に尽きるものだが
策ノ進自体は
まだまだ所帯を持つつもりもなかったし、

村のおぼこを二人も姦通してしまっては
お天道さまの下を歩けなくなる。


それにもし万が一所帯を持てと言われれば
お吉を嫁に娶りたいと密かに思っていた。

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