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蜜と獄 〜甘く壊して〜
第3章 【秘密裏な罠と罰】





え、それだけ!?
今日来るって話は!?
お互いそれには触れないけど………
いつも通りの接し方で良いんだよね?
あと一組終わればあがりだ。
急な延長だったので休憩はあまり取れないからトイレだけ済ませて歯磨きしたらリストに目を通す。




「ラストですね、頑張ってください」




「トモチン……ギュッてして良い?」




急いでヘアメイクしてくれるトモチンに甘えてみた。
近くに居たボーイさんも驚いている。
「え?私ですか?」って本人も動揺してるが構わずギュッと抱きついた。




「パワーチャージ……」




「は、はい……リリカさん頑張れ〜!」




「ありがと、トモチン、行ってきます」




もうリリカに戻った私はきっと凛々しい顔つきになっていただろう。





お客様に夢を与えて射精に導く。
思う存分イチャイチャしてあげる。
リリカで居れる時間には限りがあって、限りがあるからこそ仕事に全う出来る。
もう一人の自分になる瞬間と、戻る瞬間が病みつきになっているのかもね。




帰る頃には雷も鳴っていた。
「気をつけて」とスタッフに見送られてタクシーで帰宅する。
堤さんとは顔を合わさぬまま店を出た。
最近遅くまで仕事していると聞いている。
身体壊さなければ良いけど。




シャワーを浴びて、アロマを焚いてリラックスしながら次に書く企業理念を依頼してきた会社の資料に目を通していた。




雨足は次第に強まって窓を叩きつけている。
それを見て少しだけ心配した。
本当に来るのだろうか?
いや、来ないだろう。
流石に諦めるレベルの気象だ。




間接照明だけにしてベットに入った。





そして、鳴り響くインターホン。




時刻は日付が変わって午前1時。
ドア越しに居るのは間違いなく堤さんだ。
どうしよう、本当に来ちゃった。
何ヶ月ぶり?
何度も来ていたのに間が空くと妙に緊張する。




「あ…………」




目が合った瞬間に全部持っていかれた。
あまりにもびしょ濡れで鼻先や顎から水が滴っている。
お店では髪を上げていたのに雨のせいで前髪が垂れていてガラリと雰囲気が変わっていた。









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