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蜜と獄 〜甘く壊して〜
第4章 【射精管理のループ】
「紗衣、なぁってばよ……」
肩にキスしてこないで。
本当無理……このまま眠りそう。
隣に寝そべる堤さんに何かしたらまたヤラれそうだから。
少し警戒してたら布団を掛けてくれた。
「このままだとまたムラムラする」
やはりそうですか。
煙草吸ってくる…と出て行ってしまった。
もう自分の家のように居座り、私物のモノが増え、堤さん専用のクローゼットも作った。
此処から出社する日もある。
半同棲的な今の状況に満足してると言えばしてる。
堤さん的には中途半端なのかも知れないけど、なるべくしてなったのなら身を任せてみても良いんじゃないかって。
同棲しましょう…と言ってするよりかは今がベスト。
逃げ道はあった方が良い。
私はそっちのタイプだ。
全部持っていかれるのは息が詰まるから。
そんな我儘を聞いてくれる堤さんにちょっと驚きだけど、こうして抱き潰されるとヤルことヤってれば満足なのかなって思えてくる。
かくいう私もリリカの仮面を剥いだら神楽坂紗衣になっていたいから。
どっちもWin-Winな関係性で居れてるよね…?
それが一番なんだと思うの。
戻って来たらもう服を着ていた私にまた膨れっ面。
何だよ、動けんじゃん…って?
そっとキスしてくるけどニコチンの匂いしない。
そこは気にして消して来てくれる。
本当は優しい人なんだってわかってるからこそ本気になりたくない。
まだ身体だけの関係だって思いたい私はズルい…?
こんなに私生活に土足で入り込んできてるのにね、笑っちゃう。
「どうした?何笑ってんだよ」
「ううん、煙草の匂いしないなって」
「紗衣、嫌いだろ?煙草……すぐには止めれそうにないからごめんな?」
静かに首を振る。
「良いですよ、吸ってても……隣で吸われるのはちょっと…てなだけで本当は煙草吸ってすぐのほろ苦いキスも好きなので」
「お前……あーもう、だからそういうのな!その顔で言われたら男っちゅーもんは我慢出来なくなるんだよ!」
そうなると思って言ったんですよ。
着ていたTシャツ引っ張って私からキスをした。
「消さなくて良かったのに……堤さんの煙草の匂い、好きです」