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女優
第6章 メイク係とメイクラブ

「ちょ、ちょっとタンマ!」

キスをしようとした愛子の唇に
男が人差し指をくっつけて阻止した。

ちょうど「シーッ」と言う声を小さくのポーズだ。


「何よ、したいんでしょ?」

ほら、こんなに硬くなってるわと
男の股間を握りながら
愛子はカーセックスをしましょうと催促した。


「いくら何でも
ここじゃあまずいっしょ…
スタジオ関係者がよく往来するし、
それにこの車は車高が低すぎる。
外から丸見えじゃん」


愛子には誰に見られようが関係なかった。
仕事で見ず知らずの男とのセックスを
カメラに収められ、DVDとなって
いろんな人に見られているのだから。

「君がよくても俺はまずいですよ。
だってしがないメイク係が
会社の商品とも言うべき女優さんと
スタジオ敷地内でハメてたら
契約解除されちまいますよ」

彼が言うことももっともだった。

仕事がオフになり
個人的に誰とsexしようが構わないだろうが、
それでもそういうことを
良くないと思う人もいるし、
ましてや会社の敷地内は
やはり具合が悪いだろう。

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