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抱き屋~禁断人妻と恋人会瀬
第10章 花守乙帆 39歳⑧愛され拘束妻
「ああん、寂しい…」

 ちんぽを抜くと、乙帆は名残惜しそうに尻を振った。射精もすごかったが、肉体の壁を越えてひとつになろうとしたお互いの欲望のすさまじさに、燃え盛った。

 佐伯自身に、乙帆の亡夫が乗り移って交わっていたかのようだ。

「奥さん、すごい声でいきまくってたよ…」

 佐伯は、目隠しだけ外した。はっとした乙帆が、羞恥に濡れた目を向けてきた。汗ばんだ裸体に夜の海風が冷たい。それも今、初めて感じたみたいだった。

「ああっ…恥ずかしいです…」

 まるで魔法を解いたようだった。佐伯も加減しなかったが、我を忘れた大絶叫だ。

 乙帆はずっと亡夫に抱かれる快感に没頭していたに違いない。もはやこの海鳴りに吸い込まれていったのだと、思うしかない。

「ほら、こんなにいっぱい出されて…」

 と、佐伯は指で乙帆の膣をまさぐった。

「ひっ…!」

 ちんぽが抜かれ、ぽっかりした穴の中に指を入れて精液を掻き出す。

 手すりに縛られて、乙帆は家畜のようなこの体位を崩すことが出来なかった。ぶるぶる内腿を震わせて、膝頭を笑わせながら、ぼたり、ぼたり、と精液をこぼし出し続けた。

 掴まり立ちバックのまま、こぼれ落ちる中出し精液をしたたらせた乙帆は、女性と言うより雌だ。繁殖の二字をダイレクトに連想させるこのスタイルは、身震いするほどに雄の官能を刺激する。

「いつか本当に、出来ちゃいそうだね」

 と、佐伯が言うと、乙帆は呆けた顔であえいだ。

「いいの…あの人がもう、許してくれたから。出来てもいいの…でも産むならやっぱり佐伯さんの赤ちゃんがいいです…」

 上目遣いで瞳を潤ませる乙帆のあごを持ち上げ、佐伯は奪い取るようなキスをした。

 もはやすべてを委ねてくる乙帆の身体の重みに満足感を得ながらも、佐伯は悟り出していた。

 何度、その奥を征服しても、種付けしても、名残は尽きない。だがそろそろ、乙帆はもう佐伯の手を離れ、独りでその女の性を全うしていくことが出来るようになるだろう。

(僕じゃない。…乙帆さんは、亡くなった旦那さんを愛してるからこそ、ここまで来れたんだ…)
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