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抱き屋~禁断人妻と恋人会瀬
第13章 九谷柚葉 18歳①アナニー幼妻
 自分を縛って欲しい。

 柚葉から告白を受けたとき、佐伯は驚愕した。九谷家は、佐伯が恩師から引き継いだ初めての大口顧客だった。

 恩師のもとで働いている時代から、何かと顔を合わせる機会があった柚葉から、そんな異常な告白を受けたとき、さすがに佐伯は固まってしまった。

 十代の健康な女の子が、性欲を持つのは当たり前のことだ。それは理解しているが、柚葉の口から異常な願望が飛び出したのは予想外だった。

 しかも柚葉が佐伯の『抱き屋』としての裏の顔を知り、会員番号9として接触してきたときは、佐伯にとって少なからぬ衝撃だった。

 内気で病弱だった柚葉は、幼い頃から九谷本家の邸内で育った本当の箱入り娘だった。余計な虫どころか、仲のいい同級生もいない柚葉の救いは、屋敷にある膨大な蔵書を読み漁ることと、名の知れた画家である叔父の画材で絵を描くことだけだった。

 そんな幼い柚葉の肉体と感性に、歪んだ性欲を刻みつけたのが、大人たちも秘蔵として隠しおく、極秘の裏草紙であったと言うことは、想像に難くない。


『たえの巫女の画貼』


 それは、江戸時代から連綿と描き連ねてきた極彩色の『責め絵』の連作である。いわゆる春画集なのだ。

 大正時代から昭和の終わりにかけて、さる収集家が編纂を行い、同一の画題として描き継がれた巫女を色責めする秘本中の秘本を、ついに完成させたのだ。

 柚葉がどうやってそれを見つけたのかは、誰にも分からない。しかし、柚葉のような幼い女の子を、異常性欲の虜にしてしまう魔性の魅力を、その本は衰えることなくたたえていたのだ。

「はっ、裸にされて…お縄で縛られたい…柚葉の恥ずかしいところ、男の人にみんな見られて…女としていじめられたいんです。この『責め絵』の巫女みたいに。おじさま、柚葉では女の魅力がありませんか…?」

 佐伯は息を呑んだ。思い詰めた瞳で見上げてくる柚葉には、すでに凄みのある色気が宿っていたのだ。
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