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抱き屋~禁断人妻と恋人会瀬
第15章 九谷柚葉 18歳③不貞中出し幼妻
 夕食は箱形の膳部を運んできて、向い合わせで摂った。個々のお膳を持ち寄るこの食事のしかたも、現代の家庭では見られなくなったものだ。

 食事は柚葉の手製だ。生姜の香りご飯に、柚子を漬けだれに使った寒ブリの幽庵焼きは、泣かせる組み合わせだった。

 それにこれも柚子皮を大根や人参と甘酢で和えたなますや、青ネギと豆腐だけの味噌汁も、確かな逸品だ。

そしてまたこれに、ほどよいぬる燗が仕立ててあると言うのが心憎い。

「すごいね、全部柚葉が作ってくれたんだ」

 酒の支度まで完璧だ。さすがに佐伯も舌を巻いた。

「そんな…」

 柚葉は恐縮して、頬を染めるばかりだった。

 話を聞いてみると、茶席の懐石を作ることがあるらしい。メニューは、その引き写しのようだ。とは言えここまで、純和風の食事を、そつなく調えることが出来る柚葉は、間違いなく非凡だ。

 文句のない一膳だった。

 差し向かいで箸を使ったが、柚葉は佐伯の給仕に気を遣う他は、ほとんど会話をせずに終わった。あえてそう、しているのだろう。

 居間にある柱時計だけが、規則的に時を刻み、たまに忘れたように定時の鐘を鳴らす音だけが聞こえてくる。こんな静かな夕飯も、いいものだ。

 テレビやスマホ動画の空騒ぎも、入る余地がない。昭和の始め頃までは、これが普通の家庭での過ごし方だったのだろう。

 カタカタと夜風に雨戸が揺れる音がする。いよいよ冬の夜の寒さも本格的になってきた。とは言え、個々の部屋では寒くならないように灯油ヒーターで暖がとられているから素肌をさらしても寒くはない。

 エアコンのない古い家屋ならでの芯の籠った熱気が行き渡っていた。これでもう少し時代が古ければ、大火鉢に炭を熾すところである。

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