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陽炎日記
第3章 カスミ
 その日は生憎の曇り空だった。夜の内にザッと降った雨で路上は濡れていたが天気予報では日中の降水確率は30%となっていたので傘は持たずに街に出た。初夏にしては肌寒く半袖を着て出たことを少し後悔したがこれからお仕事だと気合いを入れる。
 今歩いているのは中の上から上の下あたりの準セレブが集う住宅街だ。ガレージにはベンツBMW がポロポロ停まっている。高い塀の向こうには生い茂った庭木が見えどれも丁寧に手入れがされている。
 駅の改札を出て暫くいったところで気配を消した俺は一週間前から目星を付けていた家を目指す。
 この家下見をした限りでは防犯カメラも無く番犬も居ない。夫婦共稼ぎの様で日中人気はない。どうぞお入り下さいと言ってるようなものだ。
 門扉の前に着くとズボンの後ろポケットから薄い豚皮の手袋を取り出す。いくら人に姿が見えないといっても指紋や足跡は残る。空巣狙いに手袋は必需品だ。靴だって一仕事毎に処分している。意外と用心深いのだ。
 辺りに人気が無いのを確認して手袋をして手で門扉を開けると身体か入る分だけ開け滑り込み門扉を閉めてから勝手口に向かう。塀沿いに植えられた庭木が近所からの目隠しになっている。足音を立てないように歩みを進め勝手口に辿り着く。
 銀色のノブを回すが鍵が掛かっている。想定内だ。何ら慌てること無くウエストポーチからピッキングツールを取り出して鍵穴に挿入る。
 カチャカチャ。
 鍵の抵抗はものの2分と続かなかった。あっさり開いたドアから堂々と入ると靴を脱ぎ上がり込むとそれを背負ったデイパックに仕舞う。
 アイランドキッチンの向こうにはダイニングテーブル。椅子は三脚なので家族構成は夫婦と子供が1人といったかんじか?リビングを通り一番奥の部屋のドアを開ける。どうやら夫婦の寝室のようだ。三面鏡付きの化粧台を間にシングルベッドが2基並んでいる。壁際には和箪笥と洋箪笥が並んでいる。
 先ずは和箪笥だ。下から引き出しを開けて衣類の下に手を差し込み探る。極力衣類が乱れないように注意を払う。そしてお宝が無ければ元の様に引き出しを閉めて次の引き出しへ。時間は掛かるがこうして痕跡を残さなければバレるまでの時間が稼げる。
 お宝は一番上の婦人物の下着が並んでいる箱の下にあった。現金10万円が入った茶封筒。中身だけ頂いて引き出しを戻す。
 
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