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夜の蝶の物語
第4章 いたぶられる咲桜(さくら)

咲桜の目から涙が零れそうになる瞬間、
再びドアが今度はフルオープンになって開いた。

「嘘だよ」

男は背を向けて
「傷ついた?あんた美人だし、
プライド高そうだもんね」
と言いながら部屋の奥に脚を運んだ。


咲桜が呆然と立ち尽くしていると
「何してんだよ。早く入んなよ。
週刊誌のネタにされたいのか」

とクルリとこちらに向かって
咲桜と対峙した。


暗い照明で
最初はよく相手の顔が見えなかったけど

徐々に目が慣れてくると
相手の顔をしっかりと視認することができた。


相手が誰だかわかると
咲桜は口をあんぐり開けて声も出なかった。


相手は今をときめくアイドルの
竹島 渡ではないか!

「ふふふ、気づいちゃったかい。
そうさ、俺さ、竹島だよ」

♪君を誘うよ~、白夜の夜に~

竹島はヒットチャート急上昇中の
歌のワンフレーズを歌った。


「えっ?ほんとに?
ほんとに、竹島 渡なの?」

咲桜は驚いて失禁しそうだった。


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