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夜の蝶の物語
第4章 いたぶられる咲桜(さくら)

「お前、俺に抱かれたくて
ウズウズしてんだろ?
ちんぽを入れて欲しくて
たまんねえんだろ?」

彼の口調が変わりました…

それにアイドルが「ちんぽ」という
隠語を発することに
咲桜はちょっぴり幻滅しました。


『やっぱり美形でも男は男ね…』

そんな気持ちの低下が
態度に出てしまったのでしょう。


いつしか体をくねらすことも忘れ
咲桜は呆然と立ち尽くしてしまったのです。


「なんだ?お前、
俺に抱かれるのがイヤなのか?」

やれやれ、これだから商売女は嫌いだと
ブツブツ言いながら部屋の電話回線を使い
どこかの部屋番号をプッシュしました。


「あ、僕です。今夜の女が来ましたので…
はい…お待ちしております…
いえ、こちらこそよろしくお願いします」
と何やら不穏な会話をしました。

ほどなくすると部屋のチャイムが鳴りました。

「どうやら来てくれたみたいだ」

竹島が、いそいそとドアのロックを開けると
年の頃は50代でしょうか、
無表情で何を考えているのか読めない男が
づかづかと部屋に入ってきました。

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