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胡蝶の夢
第3章  深淵 





「泣いてるのか?」



掴まれた髪が引き上げられ、こめかみが痛んだ。


情けない事に、それでもポロポロと涙が流れる。



「可哀想に…なぁ?」



ぐりゅっ…、ずくっ…


引き出されては押し入らて、そのたび万年筆に施された銀細工が中を抉り込む様になぞった。



「ひっ…、うぁぁぁ」



満足そうに黒崎が見下ろしている。


僕がおぞましい感覚に串刺しにされるのをまるで余興を楽しむ観客の様な目で見つめるのだ。


ぐちゅっ、ぐちゃっ…



「っ…、うぁっ、あぁ…、ぁぁ」



一際激しい抽挿の後。


つぷっ…



「あ~あ、全部呑み込んだぞ、お前のここ…」



そう言いながら靴で尻の双丘の間を踏むので、中ではさらに奥へと沈んだ。


力が抜ける…。


背中をゾクリと痺れが駆け上がり、そのたび切なそうに触れられず隆起したままの前が揺れた。


ゆったりと黒崎が笑う。





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