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胡蝶の夢
第3章  深淵 





「あがっ…、ふごぉー」



当たり前の様に無理矢理に口に突き入れられ、熱くて大きくて太いものが口腔内を侵す。


逃げないように髪を掴まれ腰が入る。


喉の奥に当たる度に嗚咽が漏れるのに、それさえも許さない程に激しく突き立てられた。


焼ける様に熱い。


目の前が霞む。


意識が浮遊を始める様に考える事を放棄し始めている。


涙と鼻水と精液で顔がぐしゃぐしゃになるのが解っても、拭う余裕さえ与えてくれない。



「歯を当てたら殺すぞ」



黒崎の低い脅し。


殺してくれればいいのに。


もういっそ死んでしまえたら楽なのに。


不必要な僕なんて死んでも誰も困らない。


死神からの甘美な誘惑に眩暈がする。


涙で霞んだ揺れる視界の中には確かに歪んだ黒い魔物がいた。


穿つならこの胸を…。


息の根を…。





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