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胡蝶の夢
第4章  檻 




逃げなきゃ。


きっと殺される。


行き着く先がそれしか見えない。


いいだけ嬲られてボロボロにされて、朽ちて行くなんてイヤだ。


イヤだ。


出てやる。



「うわぁぁぁぁぁぁっ」



唯一の扉に体当りをした。


ドンッ


肩が砕けるのではないかと思うような衝撃がして、扉に叩きつけれれる。


思いの外頑丈な扉だった。


ドンッ



「くそっ…」



ドンッ


ドンドン


気が晴れるまで一頻り叩き続けて諦めた。


ベッドの上に倒れ込む。


世界がゆらりと揺れて崩れた。


白いシーツだけが眼前にある。


ここから出るためには、ドアの開いたタイミングを狙うしかない。


つまり、次に誰かがここに入って来た時だ。





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