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第5章 禁じられた二人

　帰宅すると、先に彩月達が戻っていた。育江は夕飯を買いに出ているらしく、皆、思い思いに寛いでいる。


「あさひ、見て見て。貴女にお土産、買っちゃった」


　はきはきした物言いの志乃は、顔つきもどこか強気で、体格など同じ親族とは思えないほど頑健なのに、選ぶ洋服は少女趣味だ。そのため、かつてあさひのいた私室のクローゼットの半分は、華やかなピンクやブルーのとりどりのドレスが占めていた。

　Angelic PrettyにBABY, THE STARS SHINE BRIGHT、lnnocent Worldなど、目も眩むような洋服が並んでいく。レースやリボンにとどまらず、布もたっぷり使われている割りに、実際のところ袖を通せば見た目よりは重たくない。それでも、これらを普段から着用出来る世間の女達に、あさひは頭が上がらない。


「これ全部割引き価格なんて、初売りってすごいよね。あ、クオリティは定価と同じだよ。着て破けるとか、ないからね」

「有り難う、叔母さん。えっと、そろそろ私、お洋服は置き場所が……」

「だったら預かるよ。あたしの部屋、広いから」

「えっ……」

「勝手に匂いとか嗅がないし、安心して。いくらあさひが可愛いからって」

「かっ、可愛──…っ」

「それとも、あさひを想って抱き締めてでも欲しい？」