この作品は18歳未満閲覧禁止です

  • テキストサイズ
秘匿の闇市〜Midnight〜
第5章 禁じられた二人


 隆が残業の夜は、陽音の継子への無関心が浮き彫りになった。献立が並ぶのは陽音の席だけで、彼女はリビングに顔を出した彩月に気付くと、いつか作り置きして凍らせていた惣菜を半解凍して突き出した。
 雑巾水や便器の匂いが鼻を掠めた時は、あらゆる理由をこじつけて、彩月は食事を辞退した。すると若く愛らしい継母は発作を起こして、手当たり次第に花瓶や額縁を娘に投げた。

 椅子が派手に転倒して、陶器が割れて、水が彩月を頭から濡らす。けたたましく響き合う音に胸を押さえて、彩月は数ヶ所の打撲を庇いながら、陽音を宥めた。

 ごめんなさい。お母さんと仲良くしたいのに、嫌われることばかりして、ごめんなさい。

 顔めがけて飛んでくる足に縋って、繰り返した言葉の数々。それらは彩月の本心だった。
 いつかは陽音も、血の繋がらない娘に愛着を持つ。隆のいない夜でも母娘らしく過ごせる時が来る。
 根拠もなく確信して、荒れた部屋を夜中までかかって元に戻して、明け方に帰宅した父親に、皿を割ってしまったと言って謝罪した。


 そうしたことは茶飯事だったが、ある冬の夜、浴槽が水風呂だったため、シャワーだけを浴びて出ると、脱衣室に畳んでいた着替えが消えていた。

 その日も隆が夜勤だったのが幸いだった。

 やむなくバスタオルだけを巻いて部屋に戻ることに決めた時、扉が開いた。
/372ページ
無料で読める大人のケータイ官能小説とは?
無料で読める大人のケータイ官能小説は、ケータイやスマホ・パソコンから無料で気軽に読むことができるネット小説サイトです。
自分で書いた官能小説や体験談を簡単に公開、連載することができます。しおり機能やメッセージ機能など便利な機能も充実!
お気に入りの作品や作者を探して楽しんだり、自分が小説を公開してたくさんの人に読んでもらおう!

ケータイからアクセスしたい人は下のQRコードをスキャンしてね!!

スマートフォン対応!QRコード


公式Twitterあります

当サイトの公式Twitterもあります!
フォローよろしくお願いします。
>コチラから



TOPTOPへ