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空の記憶~あなたと私と彼、それから~
第6章 第二話 【めざめ】 再会 
 亮平は隣で熟睡していた。動こうとすると、身体の芯に鈍い痛みがあった。そのことは幸に新たな哀しみを呼び起こし、幸は布団の上に落ちたハンカチを震える手で拾い上げた。寝乱れた布団の間で皺だらけになったハンカチを頬に押し当てると、涙が溢れてきて、幸は込み上げてくる嗚咽をこらえた。
 皺だらけになったハンカチも一緒に泣いているように見え、ハンカチの白い色が涙で滲んだ。それからほどなく、幸は家をひっそりと出たのだ。元々何も荷物などなく、身一つだったから、持ち出すものも殆どなかった。
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