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空の記憶~あなたと私と彼、それから~
第8章 第三話【波の音】 予感 
 二人でこの浜で貝殻を拾ったあの日。少し冷たさを増した海からの夕風に、亮平が幸の肩にさりげなく上掛けを羽織らせてくれた。幸の方からそっと亮平の肩に身を預け、二人してずっと打ち寄せる波を眺めていた。言葉はなくても、そうやっていれば心が通じ合えていると思えた。ほんのわずかに触れあった肩と肩から亮平の温もりが流れ込んでくるようで、ずっとこのままでいたいと願った。
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