パソコンから！ケータイから！スマホから！無料でどこでも気軽に楽しめる官能小説サイト

第2章 第一話【空の記憶】～運命の嵐～　

　この洋菓子は幸の大好物で、父が町の菓子屋に特別に注文して、わざわざ弥生のものと二つ、取り寄せたものだ。きれいな包装紙が貼られた四角い箱の蓋を開けると、透明な色つきセロファンに包まれたチョコレート・ボンボンが数個並んでいる。その様は、まるで宝石箱の中に色とりどりの宝石が整然とおさまっているようにも見え、いつ眺めても、蓋を開ける度に幸は胸がときめくのだ。