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空の記憶~あなたと私と彼、それから~
第10章 第三話【波の音】 衝撃の真実 
 咄嗟にはその意味を計りかね、幸が亮平を見る。亮平が初めて幸を見た。
「と言っても、誘拐するように幸をここへ連れてきて、今更卑怯も何もないかもしれないけどな。俺のしたことはもう十分卑怯だ」
 その澄んだ眼(まなこ)に、幸は哀しい覚悟の色を見た。
「でも、これだけは男として最低の意地だった。無理矢理幸を自分のものにしておきながらも、俺の生命が長くないからという理由で、幸に同情されて側に居て欲しいとは思わなかったんだ」
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