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空の記憶~あなたと私と彼、それから~
第11章 第四話【縁~えにし~】 早春賦 
 朝陽が蒼い海面を照らし、光が乱反射してキラキラと輝いている。その様に眩しげに眼を細め、浩三が呟いた。
「なるほど、それで君もここに来ていたんだね」
 浩三が納得したように、幸の手許を見た。幸の手には小さな徳利と米の入っていた升がある。亮平が亡くなり、一人であの海辺の小さな家で暮らすようになっても、幸は海神の日には必ず浜辺に来た。
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