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空の記憶~あなたと私と彼、それから~
第11章 第四話【縁~えにし~】 早春賦 
 二〇一と部屋番号の書かれた札のある部屋の前で幸は立ち止まった。ドアに「岩田幸太郎殿」と名前が記されている。そっとドアを開けると、寝台の枕辺に浩三が座っていた。
「一体、どういうことですか」
 幸はつい詰問口調になった。
 さして広くはない室内には窓際に寝台と椅子が一つあるきりで、いかにも殺風景であった。幸太郎は蒼白い顔で眼を閉じている。
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